SNSと誹謗中傷

先日木村花さんが亡くなりました。

恐らく自殺でしょう。

TV番組に出演し、そこでの言動が物議を醸し、SNSで多くの誹謗中傷を受け、自ら命を絶つ。

あってはならないことですが、一連の流れと、その後の動きについて疑問に思う点があり、自分なりに誹謗中傷と現代のSNS問題について、お話をしたいと思います。

 

誹謗中傷と指摘の違い

以前から言われていることですが、SNSでは誹謗中傷など、いわゆるアンチコメントが問題視されてきました。人を傷つけるのは良くない。それは勿論そうです。

ただ、「相手に何も言ってはいけない」という感じになると、「自分の意見を言うのはやめよう」という人が増えてしまい、それはそれで息苦しい世の中になってしまうので、批判や指摘自体が悪いことだとは自分は思っていません。

大切なのは、批判する先はその人自身の人格や存在ではなく、行動に対して行うべきだということです。

人格否定は絶対にダメです。その人の容姿や、性格、存在そのものを否定する行為は悲しみや憎悪以外何も生みだしません。

ただ、その人自身の行動に対しての指摘や批判は、言い方にもよりますが基本問題ないと考えています。できれば野党みたいにただ批判ばかりするのではなく、代替案や具体的な改善策を伝えられるのが一番です。

そもそも生まれてから今まで、一度も過ちを犯したことがない人なんていません。自分も、思いがけないところで人を傷つけてしまったことはあります。

行動に対する指示や指摘は必要であり、することも、されることも覚悟しておくべきだと思っています。

 

目には目を、という危険な思想

今回の出来事を受けて、様々な人が意見を出していたり、アンチコメントをしていた人を批判していたりしますが、その中でも自分は「目には目を」という思想、行動を、意図的に、または無意識に行ってしまっている人がいることについて、非常に危険だなと感じています。

木村さんに対してアンチコメントをしていた人に対し、「お前が消えろ」とか「お前だけは許さない」とか、そういうメッセージを投げかけている人。

それは、悲しみの連鎖しか生みません。

そういう行為をした人を擁護するつもりはさらさらありませんし、許しがたい行為だというのは勿論なのですが、そういう人にも、家族とか仲間、大切な人がいて、その人が傷ついたらその周りがまた仕返しをし、そしてその仕返し、という風に連鎖していきます。

私自身が被害者の家族、仲間じゃないから言えることかもしれませんが、悲しみをぐっと堪えて、同じようなことが起きないためにはどうすべきかについて、声を上げるしかありません。

正直、大切な人を失ったにもかかわらず、大人になれ、というのは本当に難しいですし、感情的に相手にぶつかってしまうのは無理はありません。

でも、それは悲しみの連鎖しか生まない。それが事実であり、受け入れざるを得ません。

 

リアルでのコミュニケーション

今の時代、情報を集めることがより重要になり、プライベートにおいても多くの情報を持つことが一つのステータスになりました。

現代人はSNSとは切っても切れない関係になったわけですが、便利なSNSも、結局は使い方一つで凶器になってしまいます。

今後SNSとどう向き合っていくかが一つの課題となるわけですが、正直そこには明確な答えというものはないと思っています。

ただ、一つ言えるのは、ネット上での関わりではなく、リアルな世界でのコミュニケーションも必要だということです。

こんな話があります。子犬は兄弟同士でじゃれ合っている中で、相手を噛んだり、噛まれたりするわけですが、そのじゃれ合いの中で「これ以上は痛いな」とか「これくらいなら大丈夫だな」という、噛む加減を覚えるといいます。

人間も同じだと思っていて、リアルなコミュニケーションの中で、相手を傷つけてしまったり、自分が傷ついてしまう中で、「こういう発言は良くないな」とか「こういういい方は相手を傷つけるんだ」というのがわかると思っています。

やはりSNS上では顔が見えない中での発言や行動になるので、相手の反応があまりわからず、加減もわからないことがあると思います。

だからといって人を傷つけていいなんてことはありませんが、やはり現代において対面でのリアルなコミュニケーションが不足していることも、原因の一つだと思います。

 

【まとめ】

今回の出来事は本当に悲しいことであり、同じようなことを起こしてはいけません。

ただ、批判時代がダメというわけではないということ。気づかぬうちに「目には目を」というような思想、行動になってしまっている人がいて、それは危険だということ。

そして、リアルでのコミュニケーションも必要だというお話でした。

皆さんもこの機会に、SNSの活用の仕方、SNSとの向き合い方について考えてみていただければと思います。

 

 

最後に、木村花さんのご冥福をお祈りいたします。