今回は、今コロナによる助成金や金融公庫の実質無金利融資についてお話しします。
まず始めに、政府が発表している「これだけの予算を用意した」とか「これだけ事業者に還元する」という話を、鵜呑みにしてはいけません。
何も知らなければ「なんか結構お金使ってくれるのかな」って思いがちですが、実際は違います。
雇用助成金
これは、「企業が休業補償を出した際に、特定の事業者に国から助成金を支払う」というものです。
これを見ると、「じゃあ企業は普通に全員に休業補償を出せばいいじゃん」と思われがちですが、そうもいきません。
この特定の事業者というところがミソなんです。
新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置は、以下の条件を満たす事業主が対象です。
1.新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している 2.最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している(※) ※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります。 3.労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている |
これが対象事業者の条件です。
この中でいうと、2については弊社は要件を満たしません。
自分が経営する会社は、2018年12月に設立し、今に至りますが、会社立ち上げからずっと人数を伸ばしてきました。最初4名から始まった会社も、今は50名を超える在籍があります。
通常、会社を立ち上げてから、売り上げを伸ばしていくためにいろいろと試行錯誤していくものなので、よほど事業失敗していない限り、立ち上げ2年目の売り上げは、前年の売り上げを大きく上回ります。勿論のこと、大幅に人数が増えていれば、例え利益が出ていなかったとしても、売り上げが下がるということは基本あり得ません。
弊社でいうと、去年3~6月の売上と比べ、約7倍の売り上げになっています。前年比約700%です。
なので、前の月よりも売り上げが半減したとしても、前年比で5%以上のマイナスにはならず、助成金の対象外となります。
設立1年未満の場合は直近の月との売り上げ比較をすることもできたりしますが、基本的には立ち上げて1年以上で、右肩上がりに売り上げを伸ばしている企業は、対象にならないということになります。
弊社は4/18~5/31まで休業しましたが、勿論その間の休業補償を出しています。でも、助成金は対象にならない。
個人的には、1年以上現状維持の会社には助成して、成長している企業には助成しないのは、よくわからないな、と思います。本当に守るべきは、売り上げを伸ばし、納税額を増やしている成長企業なのでは、と思います。
実質無金利融資
金融公庫から融資を受けている、または融資の検討をしている人も多いと思います。
今回のコロナによって、実質無利子での融資枠が設けられましたが、この「
というのが、またミソなんです。自分も実際に問い合わせてみましたが、その際の担当者の方に聞いて理解できました。
通常、融資を受けた際には利子が付くわけで当初借りたお金よりも多くを支払うことになるわけですが今回の特別融資枠というのは、このそもそもの利子がゼロになる、というわけではありません。
あくまでも最初3年間が-0.9%になるだけだったり、その中でも最初からゼロになるわけではなく、一度支払ったものを後で返してもらうなど、「見方によってこの部分は実際ゼロなのと同じだよね」というだけのお話です。
結局見せ方としてはすごく事業者側に寄り添った内容になっていても、実際はそうでもない、ということはかなりあります。
【まとめ】
今回は国からの助成金や融資の闇についてお話ししました。
勿論、国も色々な施策を考え、打ち出してくれているのは事実です。ただ、内容をしっかり確認しないと、実際には言っている内容とは違ったり、対象にならない場合があります。
助成金、融資の詳しい内容は下記ページを確認頂ければと思います。
【雇用調整助成金】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
【新型コロナウイルス感染症特別貸付】
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_faq_jisshitsumurishika.pdf